偏頭痛の薬について、薬の種類、飲み方、購入方法などを紹介します

特集:偏頭痛の薬ーーイミグラン

偏頭痛の代表的な薬であるイミグランは、高い効果が期待できる処方薬です。ただし、効果が高いだけ副作用も強く、禁忌とされていることも多いです。ここでは、偏頭痛の薬イミグランの基本情報や効果、副作用などについてまとめています。

イミグランとは

イミグランは、頭痛に適用される医療用医薬品の鎮痛剤です。市販薬ではないため、薬局では販売されていません。イミグランは商品名であり、主成分はスマトリプタンです。いくつかの種類があるトリプタン製剤の一種です。

イミグランのジェネリック
ジェネリック医薬品とは、直訳すると一般的な医薬品になります。これは、これまで一般的に広く使用されており、効果と安全性が十分に確立されている医薬品を意味します。ジェネリック医薬品は後発医薬品とも呼ばれ、新薬(先発医薬品)の特許の期限が過ぎたあとに販売されます。新薬と同じ成分が含まれており、効き目も同じであることが特徴です。内容は同じであっても、新薬よりも価格が抑えられているため、入手しやすい医薬品といえます。イミグランのジェネリック医薬品には、スミナットなどがあります。
医療費の国家予算は膨らみ続けているため、医療費削減の効果が期待できるジェネリック医薬品の使用が国から勧められています。

イミグランの効能・効果

イミグランが、どのようにして頭痛を鎮めるのか、市販薬とどのような違いがあるのかみていきましょう。

3つの作用

イミグランは、次の3つの作用によって頭痛を鎮めます。

  • 脳の拡張しすぎた血管を元の状態に戻す
  • 三叉神経から放出される痛みを感じる物質「神経ペプチド」を抑え込む
  • 三叉神経が受けた刺激の情報が大脳へと伝達されないようにブロックする

なお、3つめの作用により、偏頭痛に限らず、吐き気や嘔吐、光過敏や音過敏なども抑えることができます。ただし、緊張型頭痛に対しては効果が認められていません。

市販薬と比べ

市販の鎮痛薬は、痛みの原因である炎症を鎮める働きがあります。それに対してトリプタン系薬剤(イミグラン)は、炎症を鎮めるだけではなく、痛みを感じる物質の放出を抑え、刺激のシグナルが脳へ伝達されないようにブロックするという複数の作用を持ちます。偏頭痛の根本の原因に対して痛みを抑える薬といえます。このような理由により、市販の鎮痛薬では十分な効果を得られなかった場合にトリプタン系薬剤を使用することで、頭痛を改善できる可能性があるのです。

イミグランの剤形

イミグランは、他のトリプタン製剤と比べて多くの剤形があります。錠剤や点鼻薬、皮下注射(自己注射)などの剤形があります。それぞれの特徴をみていきましょう。

錠剤

内服薬の中でも基本となる剤系です。水で流し込むように飲みます。効果が現れるまでにかかる時間を示す最高血中濃度到達時間は約1.8時間、有効成分の血中濃度が半減するまでにかかる時間を示す半減期は約2.2時間です。

錠剤のイミグランは、「イミグラン錠50」として販売されています。
実際の用法・容量や使用上の注意点などについて、詳しくはイミグラン錠50の添付文書をご参照ください。

点鼻薬

ひどい吐き気や嘔吐をともなう場合にも服用できます。最高血中濃度到達時間は約1.3時間、半減期約1.87時間です。

点鼻薬のイミグランは、「イミグラン点鼻液20」として販売されています。
実際の用法・容量や使用上の注意点などについて、詳しくはイミグラン点鼻液20の添付文書をご参照ください。

皮下注射(自己注射)

即効性があり、高い効果が期待できますが、症状が現れているときにクリニックを受診し、そのときに注射してもらうことになります。最高血中濃度到達時間は約0.23時間、半減期は約1.78時間です。
自己注射をする場合は、事前に練習が必要です。自己注射の最高血中濃度到達時間は約0.18時間、半減期は約1.71時間です。

皮下注射(自己注射)のイミグランは、「イミグラン注3」と「イミグランキット皮下注3mg」として販売されています。
実際の用法・容量や使用上の注意点などについて、詳しくはイミグラン注3の添付文書イミグランキット皮下注3mgの添付文書をご参照ください。

各剤形の違いについて、詳しくは06「偏頭痛の処方薬:分類・成分」をご参照ください。

イミグランの使用上の注意点

薬を服用する際には、その薬の特性や副作用を確認し、十分に注意しなければなりません。ここでは、イミグランの使用上の注意点をまとめていきます。

最適な服薬タイミング

イミグランは、頭痛の全長期に服用しても効果は期待できません。
実際に頭痛が起こり、緊張型頭痛ではなく偏頭痛による痛みだと確認したうえで、症状が軽いうちに服用してください。そうすることで、高い効果を得られるでしょう。
偏頭痛がひどくなると、普段は痛みを感じない程度の刺激であっても、痛みを感じるようになり、薬の効果を十分に得られなくなる可能性があります。

偏頭痛の発作は、4段階に大きく分けられます。

(引用元:片頭痛、「予防に鎮痛薬」はご法度 より治療が困難に|ヘルスUP|NIKKEI STYLE

前兆期
偏頭痛の前兆期には、目がチカチカするなどの症状が現れることがあります。
頭痛期
頭痛期では、食欲低下や吐き気、嘔吐、においに対して敏感になる、光や音に過敏になるなどの症状が現れます。
これらの症状の程度が低いタイミングでイミグランを服用しましょう。
消退期
症状が消えつつある消退期には、眠気などの症状が現れることがあります。
回復期
回復期には、食欲低下や疲労感、うつ、噪などの症状が現れます。

症状の現れ方には個人差があります。これらの症状の程度や移り変わりを捉え、適切なタイミングで薬を服用できるようになりましょう。

副作用

イミグランの副作用は、動悸やめまい吐き気、眠気、身体の痛みや倦怠感などで、飲み始めた頃に胸や喉がつっかえているように感じたり、圧迫感が現れたりすることがあります。

また、調査症例に基づいて、以下の重大な副作用をおこすことがまれにあります:

  • アナフィラキシーショック、アナフィラキシー
  • 不整脈、狭心症、心筋梗塞を含む虚血性心疾患様症状
  • てんかん様発作

イミグランの副作用について、詳しくはイミグラン錠50の添付文書をご確認ください:
医療用医薬品 : イミグラン(kegg)

薬物乱用頭痛

一定量の薬物を一定期間以上服用すると、頭痛が引き起こされることがあります。これを薬物乱用頭痛といいます。詳しくは、07「頭痛薬の使用においての注意点」をご参照ください。

相互作用による併用禁忌・併用注意

錠剤のイミグラン「イミグラン錠50」を服用する場合、薬物の併用についていくつかの注意点があります。

イミグランとエルゴタミンやエルゴタミン誘導体含有製剤などとの併用は禁忌とされています。これは、併用することで血圧の上昇や血管攣縮が強く起こる可能性があるためです。イミグランを使用後にエルゴタミンかエルゴタミン誘導体含有製剤を使用する場合には、24時間以上の間隔を空けなければなりません。これは、使用の順番が逆であっても同様です。

また、5-HT1B/1D受容体作動薬(例:ゾーミッグ、レルパックスなど)と併用した場合にも、血圧の上昇や血管攣縮が強く起こる可能性があります。イミグランを使用した後にこれらの薬を使用する場合は、24時間以上の間隔を空ける必要があります。

MAO阻害剤とイミグランを併用すると、イミグランの半減期が延長し、体内に通常よりも長い時間、成分が留まる可能性があります。そのため、MAO阻害剤を投与中であったり、投与を中止してから2週間が経過していなかったりする場合には、イミグランを使用できません。

また、選択的セロトニン再取り込み阻害薬やセロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬などの薬とイミグランを併用すると、不安や興奮、頻脈、発熱、焦燥、下痢、運動障害などをきたすセロトニン症候群を起こす可能性があります。

なお、痙攣の※閾値を低下させる薬剤と併用すると、てんかんを起こす可能性があります。
(※閾値とは、反応や間隔を興奮させるために必要な最も小さな刺激や強度を示す数値)

イミグランの併用禁忌・併用注意やほかの使用上の注意について、詳しくはイミグラン錠50の添付文書をご確認ください:
医療用医薬品 : イミグラン(kegg)

注意

※実際の用法・用量は必ず医師と相談するようにしてください。

イミグランの入手方法

イミグランは処方薬であるため、ドラッグストアなどでは購入できません。医師から処方してもらうか、個人輸入で入手できます。

イミグラン50mg
スマトリプタンという成分の薬で、頭痛に効果のある錠剤タイプの経口薬です。こちらは50mgの包装です。



イミグラン100mg
スマトリプタンという成分の薬で、頭痛に効果のある錠剤タイプの経口薬です。こちらは100mgの包装です。



まとめ

偏頭痛の薬であるイミグランは、特定の薬と併用することで重篤な副作用が現れる可能性があります。医師の指導のもと、正しく使用しましょう。

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